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介護業界編

介護業界と介護ビジネス

介護保険制度が施行された2000年4月から既に10年以上経過しました。2000年の介護費用額は3兆6千億円強でしたが、2009年には7兆4千億円強(共に厚生労働省「介護保険事業状況報告」参照)と10年でその市場規模は倍増しました。
このような急激な業界の成長の背景には、日本の高齢者人口の増加があります。この高齢者人口の増加傾向は今後も続き、65歳以上の高齢者人口比率は2010年に23.1%だったのが、2020年には30%弱、2050年には40%を超えると予想されています。
その一方で、国の方針である「国から地方へ」「官から民へ」の流れが進む中、都市部を中心に子供が親の面倒を見る習慣が消滅し、老人が老人を介護する「老老介護」や「一人暮らし高齢者」が増えているため、福祉法人、医療法人、民間企業による様々な介護サービスの提供は、今後も更に増えていくと予想されています。
このような急激な業界の成長を好機と考え、様々な企業が異業種から参入し、介護ビジネスを始めています。古いところでは、ワタミやセコムなどが有名ですが、最近ではインターネットカフェ「コミックバスター」などで有名なアクロスが「樹楽」という介護サービスを展開し始めたり、明治安田生命も昨年、介護施設の運営による業界参入を発表しました。今後も参入企業は増えることでしょう。

介護ビジネス参入への注意点

介護サービスの内容や参入条件については、別途研究していただければと思いますが、介護サービスの多くは、その売上が「介護報酬」と「利用者負担」から成り立っています。「介護報酬」とは、厚生労働大臣が定める基準に基づいて算出され、介護サービスの内容と利用者の要介護度により点数が決まり、報酬額となります。「利用者負担」は基本1割であることから考えても、この介護報酬に頼らざるを得ない現状の介護ビジネスです。
その介護報酬は3年に一度、介護保険は5年に一度見直されることから、中長期的な事業計画が見直しにより狂ってしまう可能性があるのが介護ビジネスの難しいところで、介護報酬と介護保険の改定のタイミングは十分理解していないといけません。
直近では、介護報酬が2012年と2015年、介護保険が2015年に改定されますが、増え続ける要介護者数と国の厳しい財政事情を考えれば、介護保険の被保険者年齢の引き下げ(現状の40歳から20歳など)や利用者負担の増加(1割から2割へなど)の可能性が考えられます。このような大きな変化は事業計画の見直しやビジネスそのものの修正を余儀なくされる可能性があるのです。
つまり、介護ビジネスは「統制経済下での自由競争」を要求されているのです。統制経済下である以上、そのルールに従わざるを得ない点が最も注意しなければいけない点です。
統制された中でいかに利用者の選択を勝ち取れるか、更にはこの未成熟な市場に眠るブルーオーシャンをいち早く探し出せるかが重要なのではないでしょうか。

介護ビジネスへの参入方法 その1

仕組みなどが分かり難い介護ビジネスへ参入する際の成功率を上げる方法の1つが、フランチャイズ(以後、FC)への加盟です。
既にブランドも、ノウハウも構築されているFCへの加盟は、新規参入にあたり最も手っ取り早い方法です。
前回もお伝えしたとおり、介護ビジネスで注意しなければいけないのが、「介護報酬や介護保険の改定」です。このタイミングによって、大きく事業計画が狂ってしまいますので、スピードやタイミングは介護ビジネスにおいてとても重要です。
またFC業界では、訪問介護や通所介護といった介護保険料の適用となるサービスから、高齢者向け配食サービスやハウスクリーニングなど、介護保険適用外のサービスまで多様な業態のチェーンがあるので、自社にとって最も適した業態を選ぶことが可能です。

介護ビジネスへの参入方法 その2

介護ビジネスは介護保険料が適用となるものだけではありません。上記でも記載しましたが、配食サービスやハウスクリーニングなど、介護保険適用外のサービスも含まれます。ということは、新規参入をしなくても、既存の事業の対象者を高齢者に対応することで、介護ビジネスに参入することができるかもしれません。
例えば、自社が理美容業界であるならば、訪問カットを導入することで介護ビジネスに参入するという方法もあります。要介護状態にある方は、外出を望まない、もしくは外出したくても困難な場合が多いのが現状です。しかし「髪を切る」という行為は必要になります。そこで訪問カットを取り入れ、高齢者特に要介護者を顧客とすれば良いのです。
対象を変え、介護保険適用外のビジネスを行うことは、介護業界に新規参入するよりもハードルが低く、成功確率も高いのではないでしょうか。

介護ビジネスへの参入方法 その3

最後の参入方法ですが、本誌の64号や68号でご紹介した「基金訓練」を利用した介護ビジネスへの参入という方法があります。
基金訓練とは、雇用保険を受給できない離職者(受給を終了した方を含む)に対して、行われる職業訓練のことです。介護業界が右肩上がりで新規参入が増えると、人手が必要になります。特にホームヘルパーなどの有資格者を必要とする企業は増え続けるでしょうから、それに先駆けホームヘルパーを取得するプログラムを基金訓練で組み、訓練を実施し、就職をさせることを新たなビジネスとして行っていくのです。
ただし、こちらも介護保険料適用の介護ビジネス同様、方針の変更により変更を余儀なくされる可能性があります。雇用情勢が回復するまでは、基金訓練制度は継続される予定ですが、それもいつまで継続されるのか未定です。

当コラムとお読みになり、ご相談があるという企業様はいつでもお問い合せください。

 

(2012年1月執筆 月刊誌73、74号より)

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