ライセンスコラム - 新規事業ドットコム

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ライセンス編

ライセンスビジネスとは何か

洋菓子メーカーの不二家は、1910年の創業から、昨年で100周年を迎えました。その不二家が今年の4月より新規事業としてはじめたのが、自社キャラクターのライセンス展開です。誕生から60周年を迎え、幅広い世代から支持され続けているオリジナルキャラクター「ペコちゃん」をはじめとした複数のキャラクターや商品ブランド、パッケージでライセンス展開をしはじめたとして、大きな注目を集めています。
ペコちゃんなどのライセンス権を使用し、他社が収入を得ることを「ライセンスビジネス」と呼びます。その市場規模は、日本国内だけで3兆円とも言われ、ロイヤリティ収入は1,200億円程度になると試算されています。ライセンスビジネスをもう少し詳しく説明しますと、ライセンスビジネスとは一般的に、著作権・商標権・意匠権の3つの非技術系知的財産権を使用し、商品化することを言います。ライセンスビジネスでは、商品化の元になる特定の非技術系知的財産権をプロパティ(財産)と言い、ミッキーマウスやコカコーラ、ポケモン、カルバン・クラインなど、私達の周りに多くのプロパティを利用したライセンスビジネスが存在します。
ライセンスビジネスの運営は、プロパティを所有する者(以後、ライセンサー)が、それを使用して商品を作りたいという者(以後、ライセンシライセンシー)に、プロパティを一定の条件と期間、貸与して使用を許可し、商品を生産販売したライセンシーは、その対価として売上に比例したロイヤルティをライセンサーに支払います。

ライセンスビジネスの魅力

ライセンスビジネスを始めるにあたり、ライセンサーとしての魅力は何でしょうか。ライセンスビジネスには、次のような魅力があります。

  • 参入障壁が低い
    ライセンサーになるために、国家資格を有するなどの条件(一部、民間組織による資格はあるが、必須ではありません)はありません。つまり誰でもライセンサーとしての参入が可能です。
  • ローリスクでしっかりリターンを得られる
    ライセンスビジネスでは、設備投資などの初期投資が非常に低く、商品在庫が不要で、更にはライセンシーが販売をし、その結果ライセンサーはロイヤルティ収入を得られます。
  • メインのビジネスを助ける
    映画などでよく見られますが、映画の興行成績は今ひとつだった場合でも、DVDが良く売れてセールスアップすることがあります。そのDVDがライセンス商品である場合、ロイヤルティ収入は、トータルとして映画の収益になります。ハリウッドなどでは、最初からライセンス商品を出すことを考え、映画を製作することもあるようです。
  • 既に取得している商標権を守る
    「知的財産権」という言葉が騒がれだした2000年頃、企業は人気商品の商標を、その商品の所属する商品群以外でも登録することに積極的でした。しかし、商標権は3年間実際に権利者が使用していない場合、他社がその事実を特許庁に申し出ると、商標権者の権利が消失してしまいます。
    これを防ぐ意味で、その企業が使用していない商品群での商標を他社にライセンスすることで、実際の使用が発生し、商標登録の抹消を防ぐことができるのです。
  • 社内外へのイメージ向上
    一定以上の規模の会社は、法務部の中に独立部署として知的財産を扱う部課を設けています。しかし、商標権などの登録・更新だけでは収益を生み出さない部課として、社内外からは見られるでしょう。
    これがライセンス業務を開始すると、知的財産を守るというより、有効活用してロイヤルティ収入を生み出す部課に変わります。
    更に、ライセンス業務は広範囲に渡る知識が必要とされる部課なので、社内外の人間とのコミュニケーションで、その広範囲に渡る知識は好印象を与えるでしょう。

これからのライセンスビジネス

これからのライセンスビジネスはどのように変化していくのでしょうか。
キーワードは「モノからコト」と「駆逐」です。
まず「モノからコト」ですが、これは既に私たちが経験してきたことです。時代は、モノ(物質)の時代から、経験や思い出といったコトの時代へ変わっていきました。ライセンスビジネスにおいても同様の時代になることが予想されます。
その一例ですが、スタジオジブリの商品を発売する「どんぐり共和国」は、ライセンス商品を販売しています。これが「モノからコト」へ変わると、「三鷹の森 ジブリ美術館」のようになります。館内はジブリ作品をイメージした世界がっています。そして館内にあるライセンス商品ショップはまるで「魔女の宅急便」に出てくるお店に迷い込んだように錯覚させる作りとなっています。つまりここで買い物をするお客様は、単にライセンス商品を買っているのではなく、ジブリの世界観を購入しているのです。
次に「駆逐」ですが、ライセンスビジネスにおいて駆逐する必要があるのは、権利侵害品です。
権利侵害品の販売で最も有名な国の一つに中国があります。北京オリンピックで販売された権利侵害品は約570億円と言われています。
今や中国市場なくしてビジネスが成り立たない製造業は多いと思いますが、ライセンスビジネスも近い将来そうなるかもしれません。それまでに権利侵害品を駆逐し、粗悪品が売られることによるブランドイメージの下落を食い止めなければなりません。

当コラムとお読みになり、ご相談があるという企業様はいつでもお問い合せください。

 

(2011年10月執筆 月刊誌70、71号)

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